こんにちは、りずです(*‘∀‘)
今回は「透視図法について5」ということで、三点透視について作図しながらお話していきたいと思います。
まずは軽いおさらいからいきます。
一点透視、二点透視の記事はこちらからどうぞ
◆三点透視
使っている消失点は三点だから三点透視です。
二点透視は奥行と幅が消失点に向かって収束していきますが、三点透視は奥行と幅の横方向に加えて、縦方向に消失点が追加されます。

アオリやフカンの構図になり巨大な建物の外観などを描く時によく使われます。
注意点としては、上の画像のように画面内にすべての消失点を収めようとしてしまうとパースがきつくなり極端な形が出来上がってしまうことです。
なので下の画像のように消失点は画面の外に置くのがポイントです。

では以上を踏まえて、三点透視でこちらの絵の線画を描き起こしていきたいと思います↓

※尚、未熟な学生時代に模写した絵なのでパースとか狂ってる所などがありますがそこはご愛嬌ということで (・ω<) テヘペロ
今回もデジタル作画でCLIP STUDIO PAINT EX
を使っていきます。

■手順1 ラフ画
では、まずはラフ画を描いていきます!

「相変わらずほんとに適当なラフですね(´・∀・`)」
「…そうですね(*‘∀‘)」
ではこのラフを元にアイレベルと消失点を取っていきます。
■手順2 アイレベルと消失点の設定
今回は画面に対してこれぐらいの位置でアイレベルと消失点を取っています。

見上げている構図なのでアイレベルは画面の下に設定しています。
なぜアイレベルが画面の下になってるかというと見上げている状態というのは目線のある高さは変わらずに角度が変わっている状態だからですね。
下の画像のようにカメラが設置されてる高さをアイレベルと思ってもらえればわかりやすいでしょうか。

僕なりのアイレベルと消失点の考え方についてはこちらの記事に書いてありますので、よろしければどうぞ。
■手順3 パースに沿って大まかなアタリを取る
下の画像のようにパースに沿って大まかなアタリを取っていきます。

こんな感じでまずは大雑把な四角形を描いて基準にしていきます。
ある程度基準の四角形が出来たら、四角形をさらに描き足すイメージで描き進めていきましょう。

建物を描く時に限ったわけではないですが
大まかに描く
↓
形を整え描き込んでいく
を繰り返していく感じですね(*‘∀‘)
まずは大まかに描いて絵全体の見え方を確認する
というのが全体のバランスを見失わないために大切だと思います。
特にパースに沿って描く時はここが出来てないと、かえって変な絵になりやすいです。
■手順4 ディテールの目安になる補助線を描く
次は窓枠や外壁パネルを描く時の目安にする補助線を描いていきます。

この辺はちゃっちゃかやっていきます(`・ω・´)

はい、これでビルの左側の補助線を描くための補助線が出来ました(´・∀・`)
とりあえず、これで左側の8等分が完了です↓

色付きの線なのは、あくまでまだ目安にするためだけの補助線だからですね。
また、こういったパースを付けている絵の分割線は画面に対し垂直に引くのではなく消失点に向かって引くようにしましょう!
「補助線とか8等分とかなんなんよ、それ?(´・∀・`)」
という方はこちらの記事に図形の分割方法をまとめてありますので読んでいただけたらと思います。
ちなみに、私はめんどくさいと思った時は雰囲気重視でそれっぽく見えたらいいやって感じで8分割とかしないで適当に目分量で描く時があります(`・ω・´)
さて、ここでビルの上の部分など他の細かい部分も少し描いてバランスを見てみます。

「元の絵とちょっと位置とか幅が違うとこないか?(´・∀・`)」
と思われる人もいるかと思いますが、割とその辺り重要ではなくて、こういった模写?のような作業で大切なのは、三点透視はどういう描き方なのかや、自分で建物の構造などを考え意識しながら描くことです!
元の絵と100%同じモノが必要ならコピーでいいわけですしね。
さて、今度は右側の補助線を描いていきたい所ですが上の画像のままだと、線が見づらくなってしまうので不要になった線は消します。

右側のディテールは16分割にします(・∀・)ノ
16分割って聞くと難しく思えるかもですが偶数の場合の分割は簡単です。
2分割→4分割→8分割→16分割
といった感じで、半分にしたものをさらに半分にしていくだけなので。
ただ、面倒なことはたしかです(笑)

デジタルはこういう時に便利ですね(*’ω’*)
レイヤー分けしておけば必要な線だけ残せばこの通りです↓

さて、縦方向が終わったので次は横方向の補助線を描いていきます。

やる事は縦の線を引いた時と変わりません。
分割線を描いていきます。
余分な線を消して縦横両方表示するとこんな感じです↓

真ん中のビル側面の横方向の線は右側の線を基準にして描いています。
■手順5 仕上げ
ここまで出来たらあとは補助線を元にどんどん描き込んでいくだけです。
ですが、このままだと見づらいのでレイヤーの透明度を上げて薄くします。

線画用のレイヤーを作成し、清書していきます。

ビルの右側の窓の部分はCLIPSTUDIO PAINTの境界効果を使って描くと楽に描けます(・∀・)ノ
※境界効果に関しては後日別の記事にまとめますので割愛します。

余分な部分を消します↓

さらに細部を描き込んでいきます。


これで真ん中のビルは完成ですね(*´з`)
左側のビルもちゃちゃっと描いていきます!

これで線画の完成です\(^o^)/
せっかくなので鉛筆ブラシで適当に明暗を付けてみます。

パースと面の方向に沿ってタッチを入れてあげるとそれっぽくなります。
というわけで、三点透視についてお話させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
個人的には三点透視とかめんどくさいなーとよく思ってしまうのですが、そこはそれ。
描き方を知っているのと知らないのではかなり変わってきますので、こんな描き方もあるのかー程度でも頭の片隅にとどめておいてもらえたらと思います。
またキッチリとパースに沿って描かれた絵はそれはそれで面白味に欠けたり、逆に不自然に見えたりすることもあったりで難しいのが透視図法だったりします。
僕もまだ使いこなせてるとは言えない段階だったりしますので(; ・`д・´)
なので、まずは模写をしてみたり簡単に描けそうなものから描いて慣れていきましょう!
また、新しく三点透視で描いた背景のメイキング記事を書いておりますので良かったら合わせてご覧ください↓
それでは今回も最後まで読んでいただきありがとうございました(`・ω・´)ゞ
また次の記事で!
P.S.
パースや透視図法についてもっと詳しく知りたい方は個人的にこの「建物&街角スケッチパース」という本がパターン別にまとめてあり、わかりやすいのでオススメです。

[…] ソースからの抜粋: … […]